Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ははいぬ
母犬
小川 未明
Lisez 母犬 (ははいぬ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 1 747 caractères · 4 écrans
」と、敏ちゃんは、思いました。
このとき、林の中から、ワン、ワンという、犬のなき声がきこえてきました。敏ちゃんは、きっと犬どうしのけんかが起こったのだろうと思いましたから、すぐいってみる気になってかけ出しました。そして、林に近づくと、そっと中のようすをうかがいました。
すると、どうでしょう、そこには二匹の小犬がいて、いま母犬のもってきてくれた、魚の骨を争いながら、小さな尾をぴちぴちとふって喜んでたべているのでした。
「あ、わかった! このあいだのパンも、自分がたべずに、小犬のところへ持っていったのだ。」と、敏ちゃんは知りました。
母犬は、自分がたべずに、子供のたべるのを見て、さも満足しているようでしたが、この間にも、たえず、林の外の方へ気をくばって、もしや、どこからか敵がおそってきはしないかと、注意を怠りませんでした。
敏ちゃんは、これを見て、母犬の子供に対するやさしい愛情は、人間のお母さんが、子供に対するのと、すこしも変わりのないのに、ひどく感心しました。
敏ちゃんは、この平和な犬たちをおどろかしてはならないと、そっと、その林からはなれました。
それから、敏ちゃんは、この黒犬を心から愛するようになりました。