Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はは

母

宮本 百合子

Lisez 母 (はは) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 021 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

上野の美術学校へ入って洋画を習いたいとロンドンにいる父に相談してやったら、父はそれに不賛成であったというのもこの時代の出来事であろう。それでも母は洋画を習う希望をすてず、上野へ行って規則を調べたりもしたらしいが、当時美術学校は女の生徒を入れないことになっていた。そう云って断られた。けれどもイーストレイキの娘が女で通っているのに、日本の女を入れないのはどういうわけか、西洋人と日本人とでは同じ女でも特別扱いなのはどういうわけかと、後年に至るまでそのことでは不満を洩らしていた。

美術学校の方はそういう工合で駄目だし、ロンドンにいた父が留守中に妻が洋画の稽古をはじめることを賛成しないのは、母が若いのに、教師が男だからというのが真実の理由だと理解していた母は、女に対しては、そんな片手おちを強いるものの考えかたに対して、一種の憤懣を抱いていたことも察しられる。

当時、又、どうしたわけだったのか祖母が父の留守中に母を離別させてしまおうとして、伯父をつついて書かしてやった手紙がロンドンから父の手紙の中に封入されて母の手許に渡ったようなこともあり、普通の留守を守るというより遙に複雑な関係が母をかこんでいたのであった。