Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

すいちゅうのきゅうでん

水中の宮殿

野村 胡堂

Lisez 水中の宮殿 (すいちゅうのきゅうでん) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 533 caractères · 52 écrans

Aozora Bunko

「…………」

健一は黙って挨拶して、この古風な頬髭を持った実業家の向うへ腰をおろしました。

青葉を吹く窓の風、外は海底のような深い緑で申分なく爽やかな小屋ですが、部屋の中は何となく鬱陶しい空気が、古沼のようによどんでおります。

「ところで、立花博士亡き後は、半分出資した私がこの事業の継承者じゃ、早速引渡して貰いたい、序に、近頃手に入ったという、銅板の絵図面も、当然の権利として、私が申し受けますぞ」

唐崎荘之介は高飛車でした。相手を少年と見て、一挙に物事をかたづけようと思ったのでしょう。

「私は法律上のことは知りませんが、立花博士が亡くなれば、事業は当然相続者の綾子さんが継がれる筈です。綾子さんの後見人は、いずれそのうちにきまるでしょう、――不服があったら、どうぞ顧問弁護士とお掛合い下さい、そんなことで銅板もお引渡し出来ません」

健一もなかなか負けてはいません、水の覇者と言われた大選手は、向息もなかなか強かったのです。

「そんな馬鹿なことは無い、この事業は一体誰が金を出して継続しているんだ。私へ断りなしに」

「私の父です、――翠川健太郎です、新たに出資して、綾子さんを助けているのです、株式会社でも何でもないのですから、出資も、事業の継続も自由な筈だと聞いております」