Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みずがめ
水甕
豊島 与志雄
Lisez 水甕 (みずがめ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 082 caractères · 26 écrans
腕を一振りすれば、その屋台店全体をぶっ飛ばせそうでした。それは快楽的な魅惑でした。そして彼は、両手を腰の後ろでしっかと握り合せていました。うっかり弾みをつければ人間ぐらいわけなく殺せる自分の拳法を、習慣的に警戒したのです。そして彼は二人の男を一つ視野のうちに見据えながら突っ立っていました。
なにかただならぬ気配に圧せられて、屋内はしいんと静まりました。二人の男も主人も他の二三の客も、無言で仁木を見守りました。その中で仁木は嘯くように葦簀張の天井を仰ぎ、勘定を聞いてそれを払い、のっそりと出て行きました。
それから先のことを、彼は断片的にしか覚えていません。ほかの所でも一度焼酎を飲んだようでもあり、飲まなかったようでもありますが、それはどちらでも同じことでした。つまり、彼はすっかり酔っ払っていました。そしてだいぶ長く歩いて、家に帰りました。
ぼーっと明るい月夜でした。
家の庭で、猫が数匹、ぎゃあぎゃあ騒いでいました。彼は四つ目垣の外の方へ廻って、そっと窺いました。
一匹の牝猫を中心にして、数匹の牡猫が蹲まっていました。もう牡同志の喧嘩はやめて、牝の隙だけを狙っていました。