Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みずとりてい

水鳥亭

坂口 安吾

Lisez 水鳥亭 (みずとりてい) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 705 caractères · 62 écrans

Aozora Bunko

二千余円残っている。

そろって、買物にでた。

金時はまず大八車を買った。それは長年月納屋の奥に置きすてられた廃品で、峠越えの疎開用には役立たないシロモノであった。金時はかねて目をつけていたのである。修繕すればまだ使えると亮作に教えた。疎開騒ぎで値のでているのは大八車が筆頭だったが、これは法外に安かった。それでも、大八車が結局最高値の買い物であった。買った品々は車いっぱいになってしまった。

「お前、酒すきか」

「うむ。酒が買えるのか」

「オレが造ってやる」

金時は徳利と杯を買い、瓶を二つ買った。亮作は、なんともいえない有難さがこみあげた。天に向って感謝したい思いであった。

「お前も酒すきか」

「オレはのまん。オレは腹いっぱい食うのが好きだ」

最後に魚釣りの道具一式買った。

「畑はオレが一人でする。お前は用がないから、退屈したら、魚釣っとれ」

「そうか。釣れるか」

「釣れるだろう。イヤなら、やめれ」

「やってみる」

やがて、終戦がきた。

亮作はこのような幸福を夢にも描いていなかった。彼は大八車いっぱいの荷物と金時と共に穴ボコの中に生き残り、廃墟へもどって、いち早く耕作して、生活の安定をはかることを希望していた。