Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えいじつしょうひん
永日小品
Lisez 永日小品 (えいじつしょうひん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 50 000 caractères · 100 écrans
与吉がなんだ蒼ん膨れと下から云うと、喜いちゃんは上から、やあい鼻垂らし小僧、貧乏人、と軽侮ように丸い顎をしゃくって見せる。一遍は与吉が怒って下から物干竿を突き出したので、喜いちゃんは驚いて家へ逃げ込んでしまった。その次には、喜いちゃんが、毛糸で奇麗に縢った護謨毬を崖下へ落したのを、与吉が拾ってなかなか渡さなかった。御返しよ、放っておくれよ、よう、と精一杯にせっついたが与吉は毬を持ったまま、上を見て威張って突立っている。詫まれ、詫まったら返してやると云う。喜いちゃんは、誰が詫まるものか、泥棒と云ったまま、裁縫をしている御母さんの傍へ来て泣き出した。御母さんはむきになって、表向よしを取りにやると、与吉の御袋がどうも御気の毒さまと云ったぎりで毬はとうとう喜いちゃんの手に帰らなかった。
それから三日経って、喜いちゃんは大きな赤い柿を一つ持って、また裏へ出た。すると与吉が例の通り崖下へ寄って来た。喜いちゃんは生垣の間から赤い柿を出して、これ上げようかと云った。与吉は下から柿を睨めながら、なんでえ、なんでえ、そんなもの要らねえやとじっと動かずにいる。要らないの、要らなきゃ、およしなさいと、喜いちゃんは、垣根から手を引っ込めた。