Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lisez 江戸情話集 (かごつるべ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 779 caractères · 407 écrans

Aozora Bunko

お時は金を受取ってすぐに出て行った。秋の夜のくせで、雨もない空から稲妻が折りおりに走った。

ここの家では古い蚊帳がひと張りしかなかったのを、綾衣を預かるようになってから、外記が金を出して品のいい蚊帳を買わせたのである。見るからすがすがしいような新しい蚊帳は萌黄の波を打たせて、うす穢いこの部屋に不釣合いなのもかえって寂しかった。その蚊帳越しのあかりに照らされた二人の顔も蒼く見えた。

「おれはいよいよ甲府勝手になりそうだ」

口ではむぞうさに言っているが、そのひとみの据えかたで綾衣ももうさとった。

「たしかにそう決まりなんしたか」

落ち着いているつもりでも、彼女の声は少し顫えていた。男はすぐにうなずいた。

「きょう叔父が来て言った。嘘ではあるまい。ひと間住居などと騒いでいるうちに、一足飛びに地獄が来た。親類共も驚くのは無理がない。叔父はおれを手討ちにすると言ったよ」

「ぬしを殺そうとしなんしたか」と、綾衣は呆れたような顔をした。「まあ、馬鹿らしい。それでもよく怪我もありんせんでしたね」

「むやみに切られて堪まるものか。これでも命が惜しい」と、外記はほほえんだ。