Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lisez 江戸情話集 (かごつるべ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 779 caractères · 407 écrans

Aozora Bunko

お染も息が切れて水が欲しかった。

「もし、わたしにも……」

彼女は手真似で水をくれといった。足が竦んでもう歩かれないのであった。半九郎はうなずいて両手に水を掬いあげたが、今の闘いでさすがに腕がふるえているらしく、女のそばまで運んで来るうちに、水は大きい手のひらから半分以上もこぼれ出してしまった。彼は焦れて自分の襦袢の袖を引き裂いた。冷たい鴨川の水は、江戸の男の袖にひたされて、京の女の紅い唇へ注ぎ込まれた。

「かよわい女子が血を見たら、定めて怖ろしくも思うであろう。どうだ。もう落ち着いたか」

「は、はい。これで少しは落ち着きました」

それにつけても、第一に案じられるのは、男の身の上であった。お染は京の町育ちで、もとより武家の掟などはなんにも知らなかったが、こうして人間一人を斬り殺して、それで無事に済むか済まないかを、まず確かめて置きたかった。

「得心づくの果し合いとはいいながら、お前になんにもお咎めはござりませぬかえ」

武士と武士とが得心づくの果し合いである以上、この時代の習いとして相手を斬れば斬りどくで、それがむしろ侍の手柄でもあった。しかし今夜のような出来事は、これには当て嵌らなかった。