Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Lisez 泣虫小僧 (なきむしこぞう) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 34 906 caractères · 70 écrans
貞子の家庭や、寛子の家庭の容子を見ても、自分が早々と結婚するには当らないような気持ちを持っていたし、よし、結婚したところで、満足な答えは出て来そうもない、不思議な算術のような男女の間を、菅子は年齢を重ねているだけに、危険に感じて来ているのであった。「誰が好きか」といえば、母親が好きだと率直に啓吉はいったが、はて、自分は、故郷を捨てて出て来ているし、両親はとっくの昔に亡くなっていたし、何となく色々な男の顔も浮かんで来たが、心寒い淋しさばかりで、好きで仕様のない顔というものが浮んで来ない。
「もう、そろそろ寒くなるわね」
部屋へ這入ってスイッチをひねると、菅子の牡丹色のジャケツが啓吉の目に奇麗にうつった。母の貞子に連れられて昼間二三度は来た事があったが、夜更けて来たのは初めてで、啓吉は、寛子の家よりは気軽なものを感じ、貧しいながらもちゃんと食ってだけはゆける菅子の部屋の温かさに、啓吉は急に、黙って寝転んでしまいたいような愉しさになった。
菅子は、啓吉の母親に一番よく似ていて、牡丹色のジャケツをぬぐと、広い胸が北国の女らしく乳色にさえざえしていた。啓吉はまぶしいものを見るように、畳へ腹ばって、散らかっている婦人雑誌を眺め出したが、