Classiques japonais avec furigana
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いきにんぎょう
活人形
泉 鏡花
Lisez 活人形 (いきにんぎょう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 41 111 caractères · 82 écrans
そのままにして置きて、銀平と勝手にて酒を飲んで寛げ。と八蔵を去なして手を打鳴し、「録よ、お録。と呼び立つれど、老婆は更に答せねば、「はてな、お録といえば先刻から皆目姿を見せないが、ははあ、疲れてどこかで眠ったものと見える。老年というものはええ! 埒の明かぬ。と呟きつつ高田に向い、「どうせ横紙破りの祝言だ。媒灼も何も要った物ではない。どれ、藤を進げますから。と例の被を取除くれば、この人形は左の手にて小褄を掻取り、右の手を上へ差伸べて被を支うるものにして、上げたる手にて飜る、綾羅の袖の八口と、〆めたる錦の帯との間に、人一人肩をすぼむれば這入らるべき透間あり。そこに居て壁を押せば、縦三尺幅四尺向うへ開く仕懸にて、すべての機械は人形に、隠るる仕方巧みにして、戸になる壁の継目など、肉眼にては見分け難し。得三手燭にてこの仕懸を見せ、「平常は鎖を下してお藤を入れておくが、今晩は貴下に差上げるので、開けたままだ。こちらへお入り。と先に立ちて行く後より、高田も入りて見るに、壁の彼方にも一室あり。畳を敷くこと三畳ばかり。「いいちょんの間だ。と高田がいえば、得三呵々と打笑いて、「東京の待合にもこれ程の仕懸はあるまい。