Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りゅうけつせんにしへいく

流血船西へ行く

山本 周五郎

Lisez 流血船西へ行く (りゅうけつせんにしへいく) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 026 caractères · 19 écrans

Aozora Bunko

「俺は、是から彼の船へ乗込んで、怪奇の真相を探査しようと思う。我らの海上から迷蒙の噂を除こうと思う、併せて友船浦島丸の安否をも探るのだ。――然し是には多少の危険が伴うかも知れない。指命はしないから俺と一緒に行きたい者は前へ出て呉れ」

「船長!」「船長!」「船長※(感嘆符二つ、1-8-75)」

言下に全員が進出た。――船長は頷いて、

「有難う、然し五名だけは船へ残って貰わなければならん、それは此船にも危険が無い訳ではない。寧ろ此方の方にこそ恐るべき怪異があると思われるからだ」

海坊主の事を云っているのだな、――伊藤青年はそう思いながら、自分は船長の蔭の方へ回っていた。

人選が定って、短艇が下された時、濃霧が海上を密閉した。伊藤青年はそう云っては船長に許されぬ事が分っていたので、この霧を幸い、無電室を助手に頼んで置いて、素早く短艇の中へもぐり込んだ。

濃霧は渦を巻いて流れる。牛乳の中へでも浸っているようで、すっかり見透しが利かない。流血船の形も、ぼんやりとして、幻のように薄く、影のように揺れている……

絶海の洋上に浮く怪奇の船、半年のあいだ海上の謎だった惨劇の船、それが今、眼前に在るのだ。