Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

Lisez 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 124 009 caractères · 249 écrans

Aozora Bunko

午前十時、練習艦隊はいよいよ飛行島の繋留をといて出港ときまった。その用意のため、練習艦明石は、早朝から忙しかった。

当直将校は長谷部大尉だった。

「川上のやつはどうしたろう」

大尉は、前艦橋で飛行島の方を睨みつけながら、胸の中をぐっとついてくる憂鬱をおさえつけた。

一人の下士官が艦橋に上って来て、とことこと大尉の方に歩みよった。

長谷部大尉は、それと見るより、

「おう、御苦労。どうだった」

「はいっ。やはり駄目でありました。川上機関大尉は、今朝にいたるもまだ帰艦しておられません」

「うむ、そうか」

あとは黙って、大尉は飛行島の方へまた顔を向けなおした。

下士官は敬礼をすると、帰っていった。

(まだ帰って来ない)

大尉は口のなかでつぶやいた。

出港は、間近にせまっている。幼いときから、一しょに学び一しょに遊んできた川上を、この南シナ海の真中に残してゆくのは、実につらいことだった。

それも捜索したあげく、見つからなかったというのなら諦めもつくが、飛行島を眼の前にしながら、上陸厳禁という艦長の命令は、あまりにもつらいことだった。だが、軍規は、あくまで厳粛でなければならない。