Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
Lisez 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 124 009 caractères · 249 écrans
杉田の返事は、もうなかった。
甲板の薄明の中に、重傷まだ癒えぬ杉田二等水兵が、爆弾をしっかり小脇に抱いて、とととっと走ってゆくその後姿が見えた。川上にとって、それが杉田二等水兵の見納となった。
「――天皇陛下、ばんざーい」
血を吐くような絶叫がかすかに聞えた。それは正しく杉田二等水兵の声であった。そのとき彼の姿は、爆弾庫の口から消えていたのだ。彼は爆弾の安全弁を外すと、そこへ飛びだした敵の水兵を片手で殴り倒すが早いか、爆弾を抱えたまま、爆弾庫の中に身をおどらせてとびこんだ。川上機関大尉に代り、身をもってこの大任務を遂行したのであった。
杉田の姿が見えなくなると、川上機関大尉は、全身の力をふるって逆にフランク大尉をしめあげた。
「ううっ」
「えい!」
一秒、二秒、三秒……。その時ぴかり! 眼もくらむような一大閃光!
途端に二人の転がっている甲板が、鰐の背中のように震えだしたと思った刹那、が、が、がーんと百雷が一時に落ちたような大爆音!
空気は裂けて、猛獣のように荒れ狂った。鼻をつく硝煙、真赤な火焔、ひっきりなしの爆音、それに呼応して天空高くとび上る大水柱! あたりは闇黒と化し、天地も瞬間にひっくりかえったかと思われた。