Classiques japonais avec furigana
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ふどうするちか
浮動する地価
黒島 伝治
Lisez 浮動する地価 (ふどうするちか) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 079 caractères · 29 écrans
苅った稲も扱きばしで扱き、ふるいにかけ、唐臼ですり、唐箕にかけ、それから玄米とする。そんな面倒くさい、骨の折れる手数はいらなくなった。くる/\廻る親玉号は穂をあてがえば、籾が面白いほどさきからとび落ちた。そして籾は、発動機をかけた自動籾擂機に放りこまれて、殻が風に吹き飛ばされ、実は、受けられた桶の中へ、滝のように流れ落ちた。
おふくろが、昔、雨の日に、ぶん/\まわして糸を紡いだ糸車は、天井裏の物置きで、まッ黒に煤けていた。鼠が時に、その上にあがると、糸車は、天井裏でブルン/\と音をたてた。
「あの音は、なんぞいの?」
晩のことだった。耳が遠くなったおふくろは、僕のたずねたことが聞えずに、一人ごとをつゞけていた。
「武井から、今日の昼、籾擂代を取りに来たが、その銭はあるか知らん?」
「あのブルン/\という音は何ぞいの?」
「籾擂を機械に頼みゃ、唐臼をまわす世話はいらず、らくでええけんど、頼みゃ、頼んだだけ銭がかゝるんじゃ。」
「あの、屋根裏のおかしげな音は何ぞと云ってるんだ!」
「なに、なんじゃ。――屋根裏に銭があると云いよるんか?」
おふくろはぼれかけた。