Classiques japonais avec furigana
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うんのじゅうざはいせんにっき
海野十三敗戦日記
海野 十三
Lisez 海野十三敗戦日記 (うんのじゅうざはいせんにっき) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 83 094 caractères · 167 écrans
といっているようだ。
坂下へおりて、停留所に佇む。とたんにラジオが警報を伝える。伊豆地区に警戒警報が出たらしい。
折柄、電車のへッドライトがこっちへ向かって来る。古川橋まで駈けて、それに乗る。五反田行だ。
岡東父子の顔が、闇の中に残る。
電車は走り出したが、魚籃(ぎょらん)のところで東京地区の警報発令、車内は全部消灯する。それから全然無灯で闇の中を電車は走る。
日吉坂下で架線の断線があり、停まってしまう。どうなる事かと心配していると、案外早く電気が来て、また動き出す。
清正公前から明治学院の前を通り、五反田へ向かって電車は闇をついて走る。あぶなかしくもあり、何となく勇しくもある。戦闘前進中のようで……。
雉ノ宮の坂を下るとき、右方に電気試験所の焼跡があるので、何か見えるかと思って窓から闇を透かしたが、何も見えない。いや見えた、灯が一つ。不用意の灯、試験所の宿直がそうなら呑気すぎる。
電車は五反田駅前でぴたりと停る。「はい十銭」「はい定期です」乗客はおとなしく、車掌も「気をつけてくださいよ。足もとが暗いですから」といつになく親切だ。下におりたが、さて駅の改札はどこだかわからぬ。