Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きえたミジアム
消えた霊媒女
大倉 燁子
Lisez 消えた霊媒女 (きえたミジアム) de 大倉 燁子 (おおくらてるこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 605 caractères · 31 écrans
自分の身にもなってみろ、この世の何物にも替え難い最愛の妻を死の手に奪われてしまったんだ。もう再び妻と逢う機会は永久にないんだ。私は一人後に取り残されたんだ。死んで行く者よりも、後に取り残された者のいかに惨めだかを少しは考えてみろ、それなのにああして笑いながら話をしている。私はお通夜に来た従妹達が笑いながら世間話をしている中へ入って行って、怒鳴りつけてやりたいとまで思いました。ですから自分は一人で書斎に入ったきり食事も碌にせず、長椅子の上で二日も三日も夜を明したりしたほどでした。
『ほんとにあんなにお心もお顔もお綺麗なお方ったらないわ。あんなお方こそ神様におなりになれるわ』
従姉の一人が慰めのために云った言葉を、私は舌打ちしながら睨み返してやりました。
『黙ってろ。貴様なんぞに妻の批評をする権利がどこにある』とこう云ってやりたかった。
全く死んだ妻の事をあれこれと批評されるほど腹の立つことはなかった。妻は私の者なんだ、誰の者でもない。今はもう頭の中でしか逢えない妻を、そっと抱くようにいつも労わっていてやりたかった。私は毎朝起きるのが物憂かった。夢の中の妻、それはいつまでも変らない優しい美しさだった。