Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふかがわにょうぼう

深川女房

小栗 風葉

Lisez 深川女房 (ふかがわにょうぼう) de 小栗 風葉 (おぐりふうよう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 597 caractères · 57 écrans

Aozora Bunko

「へい。ですが、こないだ腫んでた皮を赤剥けにして、親方に譴られましたもの……」と渋くったが、見ると、お上さんは目を真赤に泣き腫らしているので、小僧は何と思ったか、ひどく済まないような顔をしてコソコソと二階へ上って行く。

「医者のあの口振りじゃ、九分九厘むつかしそうなんだが……全くそんなんだろうか」と情なさそうに独言ちて、お光は目を拭った。

ところへ、「郵便!」と言う声が店に聞えて立ったが、自分の泣き顔に気がついて出るのはためらった。

「吉田さん、郵便!」

「はい」

「ここへ置きますよ」

配達夫の立ち去った後で、お光はようやく店に出て、框際の端書を拾って茶の間へ帰ったが、見ると自分の名宛で、差出人はかのお仙ちゃんなるその娘の母親。文言は例のお話の縁談について、明日ちょっとお伺いしたいが、お差支えはないかとの問合せで、配達が遅れたものと見え、日附は昨日の出である。

端書を膝の上に置いて、お光はまたそれにいつまでも見入った。

「全くもうむずかしいんだとしたら……」としばらくしてから口に出して言ったが、妙に目を光らせてあたりを見廻し、膝の上の端書を手早く四つに折って帯の間へ蔵うと、火鉢に凭れて火をせせり出す。