Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しぶやけのしそ

渋谷家の始祖

宮本 百合子

Lisez 渋谷家の始祖 (しぶやけのしそ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 68 023 caractères · 133 écrans

Aozora Bunko

何か、魂胆があるに違いない。必ず、何か、あるのだ。誰かが自分を苦しめて、悶え苦しみ、身をもがくのを見て、そっと舌を出しているに違いないのだ、とさえ、正隆は思い始めたのである。誰だろう?

誰が、幕の彼方で、この憎むべき悪策の糸を操っているのか。

正隆は、蒼い額に、切り込んだような縦皺を寄せながら、瞼を嶮しく引そばめて、森閑とした周囲を睨まえるのである。

暗い、鋭い正隆の直視の前には、いつも、桑の小箪笥と書棚とが、行儀よく、手を入れられて並んでいた。

まるで、結婚でもしようとする愛嬢に持たせるような亢奮で運ばれた、これ等の女性的な、贅沢な調度を見ると、さすがの正隆も、あれほどの亢奮と愛とで自分を送った母未亡人が、その黒幕の彼方の人物だとは思い得なかった。彼の揺籃の時から、細胞にまで浸み込んだ既定的な愛の信頼は、そこまで延びる彼の疑いを許さないのである。母未亡人でないと確定すれば、最も手近な処から、この探求を進めようとする正隆は、勢い、第二の嫌疑者として、長兄の正則を、牽(ひ)いて来なければならない。

正則は、どうだろう、

ここへ来ると、正隆は、蒼白い額を灰色にして腕を組んだ。