Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こはん

湖畔

久生 十蘭

Lisez 湖畔 (こはん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 180 caractères · 47 écrans

Aozora Bunko

「仲々、親切なことを言うな。フン、お前は随分と愛想のいいほうだ」

と捻じくれたことを言った。

どれほど素直に育ったものか、そうまで凝滞する俺を鬱陶しいとも思わず、それからは毎日のように俺の部屋へ遊びにくる。中庭から声をかけて散歩に誘いだす、遊戯をする。おいおいに親昵して、俺の部屋で食事をするようになった。これまでは懶くばかり観じていた世の中が俄かに面白くなり、出逢おうとも思わなかった愉快のために頭まで冴々とし、いっそのこと、この少女を家に入れて妻にしたらと考えるようになった。

少女は横浜の生糸仲買人の二女で陶と言い、当時十八歳で、桜井女学校の四年になっていた。俺の虚飾心は別として、仮にも勲爵を身につけている以上、それに伴う格式というものもあり、気に入ったからといってイキナリなことも出来にくいが、出来合いの新華族の中には、芸者上りに小袿を着せ、大きな顔で北ノ方に据えているものもいる。それに比べると、よほど筋が通ッている。陶の父は旧弊な商賈根性のもので、俺の前へ出ると容易に顔もあげぬという風だから、権勢の及ぶところを示せば否やはあるまい。その方はいいとして、求婚する前に陶が俺を愛しているという確かな心を知りたく、質問が咽喉元まで出かかるのだが、万一、※ねられでもしたらそれこそ不面目だから、有無を言わさずに妻