Classiques japonais avec furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
「な、なにを云う……」
とヴィデはドギマギしながらも、嘲るように、
「僕がフォン・エッセンだとは――莫迦らしい、いったいどこを押せばそんな音が出るのです。すると貴方は、八住を刺した兇器を、僕がどこへ隠したと云われますか」
「なにも、あの流動体には、隠す必要なんてないじゃありませんか。しばらく貴方は、それを傷口の中に、隠しておいたのでしょう。そして、後になって、朝枝と二人の盲人といっしょに再び艇内に入ると、そこで眼が見える貴方は、屍体を俯向けにしました。すると、あの流血と同時に、兇器はしだいに凝血の間を縫って、やがてかなりの後に流れ出ました。ところが、その附近には、砕けた検圧計の水銀が飛び散っていた……」
「水銀……」
検事が思わず反問すると、法水は、その魔法のような兇器を明らかにした。
「そうなんだ支倉君、まさにその水銀なんだよ。ところで、潜航艇に使う液体空気の中へ、水銀を漬けておくと、それが飴状になるので、何かの先に丸い槍形を作り付けることができるのだ。そうして、さらに冷却すると、いわゆる水銀槌と呼ばれて、銀色をした鋼のような硬度に変ってしまう。だから、それが八住の体内で、体温のために軟らかくなるから、当然先端が丸くなって、創道の両端が異なるという、不可解な兇器が聯想されてくるのだ。