Classiques japonais avec furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
の中に入りますよ」
と云い捨てて、この室を出て行ったが、その足取りは、盲人にしてはたしか過ぎると思われるほどだった。
ところがその翌日、早朝乗組員の一人が、背後から心臓を貫かれて、紅に染まっているヴィデの屍体を発見した。
法水が赴いた頃には、ヴィデの死体は陸に揚げられていた。朝を過ぎた太陽は、屍体の覆いに、キラキラする陽炎を立てていたが、屍体は全身に、紅い斑点が浮上がっていて、法水の眼を、責めるような意味で刺戟してくる。
彼は、眼前の緑の海はつねに呼吸するとも、この怖ろしい事件には、永久結末がこないと思われた。
そして、いよいよ決心の臍をかためてその一日を、単身「鷹の城」のなかで過すことにした。
法水は潜望鏡をながめたり、あるいは、潜水服がいくつとなく吊されている一画を調べたりした。
艙蓋の下の室から機関室に行き、それから以前八住が殺された客室に入って行ったが、そうしているのは、ちょうど知られない世界に入ってでもゆくかのようで、妙に気味悪げな不安にかられてくるのだった。ところが、その室を出ようとしたとき、彼はその把手を握りしめたまま、唖然と立ち尽してしまった。