Classiques japonais avec furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
その渡した日というのが、三伝が死んでからちょうど四日目のことで……それも、受取った当人が……お、お前さん、しっかりしておくれよ……それが、さ、三伝だと云うのさ」
「え、三伝が生きていた……」
これには、さすが野放図なお悦も、愕然と色を失った。夢ではないかと身内をま探っていたほど、それほど三伝の生存は信じられなかった。心臓を撃たれた――それには今でも、色や幻がはっきりと浮び上がってくる。
彼の死には、人間の生理が一変してしまわないかぎり、どこにも、疑義の欠片さえ差し挟む余地がないのである。
七日後に、蘇った基督があるというけれど、三伝のそれは……幽霊か、他人の変装か、それとも彼は真実蘇ったのであろうか、と、四人は、三伝の風貌を眼のあたりに思い泛べるのだった。
鼻の丸い、卵なりの輪郭をした、どこか病的らしい暗黄色の、それでいて、人を食ったような三伝の顔が、いまは仄かに陰火をめぐらす怖ろしげなものになってゆく。そうして、この室には、しんしんと犇みゆくような沈黙が続いてゆく。
「あの男なら、俺らに仕返しをやりかねまいぜ。だが、あいつが生きているとは……。とにかく、ここに四人いるからなア――お女将に、俺に、お悦に、それから左枝だ」