Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans

Aozora Bunko

三、影法師の鰓

三、影法師の鰓

緋の地に、源氏車を染め抜いた床着にくるまって、お悦はまるで眠っているように死んでいた。顔には、少しの苦悶の影もなく、もし、それにちょっとでも触ったら、唇が、また綻びそうである。が、左枝は、腕を組んで、まじまじと考えはじめたのであった。

「床の中で、昇天してしまうなんて、いかにも此奴、淫売らしい死に方だぞ。だが、この室にいたのは、自分よりほかにない。同じ床、同じ夜着のなかで……いかに酔っていたとはいえ、この女の死を、知らぬと云いつづけられるだろうか」

寝台の側には、三稜の立鏡台があり、洗滌器や、壁にはいろいろな酒を入れた、護謨製用具がいくつとなく吊してある。窓は、内側からかたく鎖されていて、扉は押しても引いても開こうとはしない。おまけに、鍵穴には鍵が突っ込まれ放しになっていて、これでは、外から鍵を動かそうとしてもとうてい無駄ではないか。

ああ、この室は、密室だったのである。このままの状態では、出るも、入るも出来ないはずである。それだのに、何者かが、お悦の心臓を貫いてしまっている。

自殺ではない。

この女には、船場と同じように自殺するような性格はない、と、左枝は、知らずに重ねてゆく、莨烟のなかでまったく途方に暮れてしまった。