Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
「なあ、私が双生児なんですって。でももっとも、いま小六さんの前を通ったのは、私だけなんですけど……」
と逢痴は、こころもち臆したようであったが、それは何もかも、女になりきった、恥らいのようにも見えた。
彼は法水に気づいて、静かに会釈したが、
「ですけど先生、いったい小六さんは、自分から首を縊ったのでしょうか、それとも、誰かほかに……」
と逢痴が、ズバリと云いきったのは、この場合けっして不自然な質問ではなかった。
と云うのは、小六の襟首に、一つ胡桃大の結節の痕が現われていて、どうやらそれが、他殺を匂わせるのだった。
しかし、一方小六を、どんなにか賺めすかしても、彼は顫くのみで、一言も口にはしないのである。
法水も、困りきったような顔をして、
「なるほど、豊竹屋の云うとおりなんだよ。現に、ステイフェンの『証拠蒐集綱領』を見ても、たいていの場合頸筋の結節は、紐が長くて、縊死者が廻転した場合に起るものなんだ。けれども、稀に犯人の自白などで、例外な場合が起ることはあるがね」
と小六が、昏々と眠りはじめたのを見ると、彼は儀右衛門の耳に口を寄せた。
「自分が、首を縊らねばならぬ原因も云われないし、また、加害者の名も口に出せないとしたら、この一座の暗闘状態は、案外深刻なのかもしれんよ。