Classiques japonais avec furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
「驚いた。だが光栄至極にも、われわれはフォン・エッセンの指揮下にある、潜航艇に乗り込んでしまった。あの人は、墺太利の、いや欧羅巴きっての名将なんだ。鬼神、海神といわれる――いつかウインに、記念像を持つのは、この人以外にはないというからね」
ヴィデがすぐ、こんなことを、一同の耳に囁きはじめた。乗組員は二十名、艇は、一九〇六年の刻印どおり旧型の沿岸艇だ。
巡航潜水艇ではない。それにもかかわらず、七つの海を荒れまわる胆力には驚嘆のほかないのである。
しかも、艇内の四人は、厚遇の限りを尽されていた。どこでも、自由に散歩ができるし、おりには、艦長とも戯れ口を投げ合う。
そして艇は、女王シャーロット島を後に、北航をはじめたのであったが、まもなく艇首をカムチャツカに向けた。
その間も、十三節か十四節で、たいてい海面を進んで行った。事実水中に潜ったことは、数えるほどしかなかった。一度はかれこれ、五十尋近くも下ったことがあったが、その時は、駆逐艦に援護された、日本の商船隊を認めたときであった。
「艇長、貴方は、あの駆逐艦が怖いのですか」
事務長の犬射は、ときおり独詩を書いて示すので、艇長とは打ち解け合った仲であった。