Classiques japonais avec furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lisez 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 395 caractères · 263 écrans
をひっさげ東都初登場となった。そして、河原崎座の初日に当って、まったく無残絵か因果絵でなくては見ることのできない、血みどろの悲劇が捲き起されたのであった。
大南北の「東海道四谷怪談」を、原本どおり演出するというので、たださえ狭苦しい場末の河原崎座は、割れんばかりの大入だった。
狂言数も進んで、いよいよ二番目の「四谷怪談」に入った。
その二幕目伊右衛門の浪宅、いわゆる髪梳きの場である。
お岩は逢痴、宅悦は小六。舞台は、上手障子内に蚊帳を吊り、六枚屏風を立てて、一体の作りが浪人住居の体。演技はすでに幕切れに近かった。
お岩 ヤヤ着物の色合、つむりの様子。こりゃ、これ、ほんまに妾が面か、このような悪女の顔に。なんで、まあ、こりゃ、妾かいの妾かいの。妾がほんまに顔かいのう。
と髪は解け、垢じみた肌襦袢に包まれて、全身から放っていそうな、異様な臭いを振り撒きながら、産後のお岩は、鏡を手に持ち、見るも無残な変貌を、物怖ろしげに見入るのであった。
それは、おどろ怖ましい色であり、靄であって、その物凄まじいおののきには、自分の心臓すらも、観客は見出せないほどであった。