Classiques japonais avec furigana
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しょうねん
潤一郎ラビリンスI――初期短編集
谷崎 潤一郎
Lisez 潤一郎ラビリンスI――初期短編集 (しょうねん) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 41 319 caractères · 84 écrans
「さあさあ、もっとずッと此方へ。ほんとに三平さん、今夜は妾だけなんだから、ゆっくりくつろいでおくんなさいな。」
と、梅吉は、座蒲団をすゝめるやら、お酌をするやら下にも置かないようにします。三平は少し煙に巻かれて、柄にもなくおど/\して居ましたが、だん/\酔いが循って来ると、胆が落ち着き、
「だが梅ちゃんのような男勝りの女は、私ゃ大好きサ。」
などゝ、そろ/\水を向け始めます。旦那を始め二三人の藝者が、中二階の掃き出しから欄間を通して、見て居ようとは、夢にも知りません。梅吉は吹き出したくなるのをじっと堪えて、散々出放題のお上手を列べ立てます。
「ねえ、三平さん。そんなに妾に惚れて居るのなら、何か證拠を見せて貰いたいわ。」
「證拠と云って、どうも困りますね。全く胸の中を断ち割って御覧に入れたいくらいさ。」
「それじゃ、催眠術にかけて、正直な所を白状させてよ。まあ、妾を安心させる為めだと思ってかゝって見て下さいよ。」
こんなことを、梅吉は云い出しました。
「いや、もうあればかりは真っ平です。」
と、三平も今夜こそは、そんな事で胡麻化されてはならないと云う決心で、場合によったら、