Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひのとり

火の鳥

太宰 治

Lisez 火の鳥 (ひのとり) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 740 caractères · 76 écrans

Aozora Bunko

」

「でも、あたし、知ってるよ。数枝は、はじめから歴史的を好きだった。」

「こいつ。」

女ふたり、腹をおさえて、笑いころげた。

「かえらぬ昔さ。」てれ隠しに数枝は、わざと下手な言葉を言って、「どうも、なんだね、あたしたち、男運がわるいようだね。」

「いいえ、」ときどきさちよは、ふっと水のように冷い語調に澄まし帰ることがある。大笑いのあとにでも、あたりの雰囲気におかまいなしに、一瞬、もう静かな口調で、ものを言い出す。へんな癖である。「あたしは、そうは思わない。あたしは、どんな男の人でも、尊敬している。」

数枝は、流石に気まずくなった。われにも無く、むりにしんみりした口調で、

「わかいからねえ。」言ってしまって、いよいよいけないと思った。どうにも、自分が、ぶざまである。閉口して、とうとうやけに、屹っとなってしまって、「ばかなこと、お言いでないよ。ギャングだの、低脳記者だの、ろくなものありゃしない。さちよを、ちっとでも仕合せにして呉れた男が、ひとりだって、無いやないか。それを、尊敬しています、なんて、きざなこと。」

「それは、少しちがうね。」こんどは、さちよは、おどけた口調にかえって、「男にしなだれかかって仕合せにしてもらおうと思っているのが、そもそも間違いなんです。