Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひのとり

火の鳥

太宰 治

Lisez 火の鳥 (ひのとり) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 740 caractères · 76 écrans

Aozora Bunko

めんどうくさい。どんなに永く考えたって、結局は、なんのこともない。あたってみなければ判らないことばかりなんだからね。あほらしい。あたしにだって、心配なことが、それは、たくさんあるのよ。だから、一つのことは、三分だけ考えて、解決も何もおかまいなしに、すぐつぎに移って、そいつを三分間だけ考えて、また、つぎのことを三分、そのへんは、なかなか慣れたものよ。心配のたねの引き出しを順々にあけて、ちらと一目調べてみて、すぐにぴたっとしめて、そうして、眠るの。これ、なかなか健康にいいのよ。どうだい、あたしにだって、相当の哲学があるだろう。」

「ありがとう。数枝。あなたは、いいひとね。」

数枝は、てれて、わざと他のことを言った。

「やんだね、みぞれが。」

「ええ。」さちよは、言いたいだけ言って、あとは無心であった。「あした、お天気だといいわね。」

「うん。眼がさめてみると、からっと晴れているのは、うれしいからな。」数枝も、なんの気なしに、そう合槌うって、朝の青空を思えば、やはり浮き浮きするのだが、それだけのことでも、ずいぶん楽しみにして寝る身がいとしく、さて、晴れたからとて、自分には、なんということもないのに、とひとりで笑いたくなって、蒲団を引きかぶり、眼尻から涙が、つとあふれて落ちて、おや、あくびの涙かしら、泣いているのかしら