Classiques japonais avec furigana
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とうだいき
灯台鬼
大阪 圭吉
Lisez 灯台鬼 (とうだいき) de 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 718 caractères · 27 écrans
激上するために、海面には騒然たる競潮を現わしていようというところ。だから濃霧の夜などはことに事故が多く、船員仲間からは魔の岬と呼ばれてひどく恐れられていた。
ところがちょうど三、四カ月ほど前から、はからずも当時あやうく坐礁沈没をまぬがれた一貨物船の乗組員を中心にして、非常に奇妙な噂が流れ始めた。というのは、汐巻灯台の灯が、ことに霧の深い夜など、ときどきヘンテコなことになるというのだ。本来この灯台の灯質は、十五秒ごとに一閃光を発する閃白光であるが、こいつがときどきどうした風の吹き廻しか、三十秒ごとに一閃光を発するのだ。ところが三十秒ごとに一閃光を発する灯質は、明らかに犬吠灯台のそれであり、だから執拗なガスに苦しめられて数日間にわたる難航をつづけて来た北海帰りの汽船は、毎三十秒に一閃光を発するその怪しげな灯質をうっかり誤認して、うれしや犬吠崎が見えだしたとばかり、右舷に大きく迂回しようものなら、忽ち暗礁に乗り上げて、大渦の中へ巻き込まれてしまうというのだ。船乗りには、かつぎ屋が多い。うそかまことかこのように大それた噂が、枝に葉をつけておいおいに船乗り達の頭へ強靭な根を下ろしはじめた矢先き、それはちょうど一月ほど前の濃霧の夜、またしても汐巻沖で坐礁大破した一貨物船が、数十分にわたる救難信号の中で、汐巻灯台の怪異