Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

むざんやな

無惨やな

久生 十蘭

Lisez 無惨やな (むざんやな) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 601 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

と、言ってのけた。そこで犬塚が重ねて問いかけた。

「では、ご同意くださるか」

「同意しようとも」

「たしかに承わりました。柳営の内証向きには、ふとした抜裏がござって、当節、権勢の流行神の方へ、段々と手入れをいたせば、およそならぬということはないよし。お申付けがあれば、働いてみましょう」

「ほかに法はあるまい。なにがさて、そうときまったら、一日も早いほうがいいぞ」

「申すまでもなく」

「お上の手前は、なんと言いつくろえばよろしかろう。お役替などおすすめしたら、慮外なとお怒りになるかも知れず。その辺のところがむずかしい」

「仰せのとおりですが、お気先の和らいだ折を見はからって、手前から、そろそろと申しすすめてみましょう。お任せくださいますか」

「たのうだぞ」

ということで、その日は別れた。

寛延二年の春、桃の節句のすんだあと、雅楽頭の御前で、犬塚がなにげない顔でこんなことをいった。

「御用部屋にお入りなされてから、四度目の春を迎えましたが、日々のご心労、お察し申しております」

雅楽頭は、俗に思案顔という気魄薄げな面持で、

「そのことよ」

と肩を落して溜息をついた。

「上申の内書のと、些末な当務に精根を費やされること、ご濶達なお上のご気性では、さぞ煩わしく思召めされるだろうと」