Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
むだい(いち)
無題(一)
宮本 百合子
Lisez 無題(一) (むだい(いち)) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 20 502 caractères · 41 écrans
足許に無雑作になげ出された真赤な毛糸は二人の足許にからみついてフワリフワリ何か謎をささやいている様にしています。嬉しさに何も忘れたとは云いながら三つ上のローズは、
ロ「貴方もうお母さんの所に行ったの」とききました。
気がついた詩人はすまない様な声で、
詩「まだ行かないの」
ロ「行っていらっしゃい。貴方のお母さんはどんなにまっていらっしったでしょう。夕方になると貴方の行った森の方を望めて『まだかえらない』と云っていらっしゃったのよ。そして又来てちょうだい」くびに巻いていた手をほごしました。
詩「エエ、行って来ましょう。あしたから私は書かなくてはならないの、そして不思議なお話を貴女にきかせなくてはならないんですもの。ローズ、またあとで」
美くしい人のかげはとなりの門の中に入りました。詩人は内に入るとすぐ、
詩「お母さん、会いたかったのに」と云ってかけ入りました。詩人のまだ若い母はまどのそばでぬいとりをしていました。その声をきいてはじかれたように立ち上って、
母「マア、よくかえってお呉れだった事」
こう云った時にもう詩人の胸は母の胸によっていました。白い巾はみどりの波の上にういたようになって花びんのローズは美くしい子の帰ったのをよろこぶ様にかるくゆれています。