Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lisez 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 86 705 caractères · 173 écrans
八丁堀の与力川俣伊予之進は、こういう宗七を知っているかして、その浮わついた態度も別に気に留まらない様子。
短い羽織の下から刀のこじりを覗かせたまま、その羽織の裾を習慣的にぽんと叩き撥ねて、あがり框に腰を下ろした。
三十一、二。浅黒い顔の、いかにも不浄役人と言った、眼のぎょろりとして鼻の鋭い侍だ。
「ようこそじゃあねえぜ。」と伊予之進は伝法に砕けた調子で、「久しく他行だったじゃあねえか。」
「へえ、じつあその、ちょっくら旅にね――。」
「ほんとに旦那。」お多喜が、手早く茶の支度にかかりながら口を入れて、「うんと油を絞ってやっておくんなさいましよ。さっきぶらりと、気が抜けたような顔をして帰ってまいりましてね、呆れ返るの雨蛙じゃアありませんか。」
「いや、お内儀にさんざ叱られた後らしいから、おれあもう何も言うめえ。なに、おいらより、おかみの待ち焦れ方と言ったら――ははははは、なあ、お内儀、おめえ、ずんと痩せたようじゃあねえか。」
「あれま、旦那は相変らずお口の悪い。」
「なあに、里ごころがついて帰って来たんだ。思いきり可愛がってもらいねえ。」
「あんなことばっかり、ほほほ――どうぞ、ひと口お湿し下さいまし。