Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lisez 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 101 908 caractères · 204 écrans
「まあ、うつくしい」
房枝は、徹夜の看護に充血した目を、まぶしそうにしばたたきながらいった。
「ここにある花の種類は、七百種ぐらいあります」
「え、七百種。ずいぶん、種類が多いのですわねえ」
「その中に、メキシコにあって、日本にない花が、三百種ぐらいもまじっています。なかなか苦心して持ってきました」
「そういえば、あたくしがメキシコでお馴染になった花、名前はなんというのかしりませんけれど、その花があそこに咲いていますわ」
「じゃあ、あれをさしあげましょう」
「いいえ、花はあのままにしておいた方がいいんですの。きっていただかない方がいいわ」
と、房枝は、上気した頬を左右にふって、辞退した。
「えんりょなさらないでよ」
「いいえ、その方がいいのです」
と、房枝はニーナの好意を謝したが、そのとき気がついて、
「あーら、このいい香は、なんでしょ。あら、バラの匂だわ。まあ、これは大したバラ畠ですわね」
房枝は、とつぜん目の前にひらけた一面のバラの園に、気をうばわれた。
ところがニーナは、そのすばらしいバラの園を、なぜか自慢しなかった。そして、房枝の腕をとると、前へ押しやるようにして、そのところを通りぬけた。