Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lisez 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 101 908 caractères · 204 écrans
長官は、X塗料の棒のことを残念がっているのだった。
「おい、帆村君。残っているのは、今ここにあるこれだけか」
長官は、卓子のうえに広げられた散薬の紙包ほどのものを指さす。その紙のうえには、なんだかくろずんだ粉が、ほんの少量、ほこりのようにのっていた。
「はい、これだけであります。これは、塗料の棒を包んであった油紙を、よく注意して、羽根箒ではき、やっとこれだけの粉を得たのです」
「実に、微量だなあ。これじゃ、分析もなにもできまい」
「はあ」
帆村は、唇をかんで、頭をたれるより外に、こたえるすべをしらなかった。
「しかし、これでも無いよりはましだ。いたずらに、取り返しのつかぬことをなげくまい。そして、不利な現状の中から、男らしく立ち上るのだ」
長官は、帆村のために、慰めのことばをかけた。帆村はいよいよ穴もあらば入りたそうである。
「とにかく、工場の方と連絡をしてみよう。彦田博士に、ここへ来てもらおう」
「彦田博士?」
「君は、彦田博士を知らないのか。博士は、篤学なる化学者だ。そして極東薬品工業株式会社の社長だ。今、呼ぼう」
長官は、ベルを押して、秘書をよんだ。
「彦田博士を、ここへ案内してくれ」