Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lisez 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 101 908 caractères · 204 écrans

Aozora Bunko

その中でも房枝自身は、他のだれよりもうれしいのであるが。

帆村荘六が、奇蹟的に一命をとりとめて、無事帰りついたことは、新聞で知った。房枝はそののち、なんとかして帆村に会いたいものと、思いつづけたのであったけれど、その帆村の住所を忘れてしまった。だから、手紙を出したくても、出すことができないのだった。

そういう場合には、帆村の記事を出した、新聞社へ頼めば、たいてい、親切に先方の住所を調べ出して連絡してくれるのであるが、房枝は、まだ世間なれしないため、そういう方法のあることを知らなかった。

「ああ、帆村さまにお会いしたいわ。たった一度きりでいいから」

房枝が、そんなことを、しきりに考えているとき、彼女のうしろを一台の自動車が走りぬけた。そして、そのすこし先で、車は水たまりにとびこんで、ひどい音をたてて水をはねかせた。

「まあ、しつれいね」

房枝は、あっといって、自分の服をあらためてみたが、いいあんばいに、べつにどこにも、泥水がとんでいなかった。

その自動車はそのまま、どんどん走っていったが、しばらくいくと、辻を左にまがって、極東薬品の塀にそって進んでいった。