Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふぼにたいするしじょう

父母に対する私情

豊島 与志雄

Lisez 父母に対する私情 (ふぼにたいするしじょう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 333 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

自分自身がいとおしく自分の生がいとおしかった。そして私はじっと自分を愛護する気持になって、その気持を母に伝えたくなるのだった。

それは、母を安心させ落付かせたいのとは違う。母に甘えるのとも違う。生れたままに生きていたい、そういった気持である。お母さん、私はここにこうしています、自分の在るがままの生を愛して生きています、と母に向って――大地に向って、囁きたい気持である。

然しながら、自分の胸の底を、も一つ奥深く覗いてみると、右のように二つに分けられないものを、父と母と一体をなしてるものを、其処に見出すのである。それのことを思うと私は、何かしら神秘的な涙ぐましい而も力強いものを感ずる。

平素私はそれを忘れがちである。今では私は、ただ輝かしい健かな世界を求めて自分一人で生きている。然しどうかした拍子にふと父母のことを思うと、自分に生を与えてくれた両親のことを思うと、そしてそれに思い耽っていると、明るくもなく暗くもなく、健全でも不健全でもない、或る隠秘な仄かな底深い気持に陥っていく。それは一種の宗教的な気持である。

そういう父母に向って――父はもうこの世にいないし、母もいないが、その両者が一体をなしてるものに向って、私はただ、自分の子供達が丈夫に生長してることだけを云いたい。