Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いぬとふえ

犬と笛

芥川 竜之介

Lisez 犬と笛 (いぬとふえ) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 752 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

すると生駒山の峰の方から、さっと風が吹いて来たと思いますと、その風の中に声がして、

「髪長彦さん。髪長彦さん。私は生駒山の駒姫です。」と、やさしい囁きが聞えました。

それと同時にまた笠置山の方からも、さっと風が渡るや否や、やはりその風の中にも声があって、

「髪長彦さん。髪長彦さん。私は笠置山の笠姫です。」と、これもやさしく囁きました。

そうしてその声が一つになって、

「これからすぐに私たちは、あの侍たちの後を追って、笛をとり返して上げますから、少しも御心配なさいますな。」と云うか云わない中に、風はびゅうびゅう唸りながら、さっき黒犬の飛んで行った方へ、狂って行ってしまいました。

が、少したつとその風は、またこの三つ叉になった路の上へ、前のようにやさしく囁きながら、高い空から下して来ました。

「あの二人の侍たちは、もう御二方の御姫様と一しょに、飛鳥の大臣様の前へ出て、いろいろ御褒美を頂いています。さあ、さあ、早くこの笛を吹いて、三匹の犬をここへ御呼びなさい。その間に私たちは、あなたが御出世の旅立を、恥しくないようにして上げましょう。」

こう云う声がしたかと思うと、あの大事な笛を始め、金の鎧だの、銀の兜だの、孔雀の羽の矢だの、香木の弓だの、立派な大将の装いが、まるで雨か霰のように、眩しく日に輝きながら、ばらばら眼の