Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いぬさんたい
犬三態
宮本 百合子
Lisez 犬三態 (いぬさんたい) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 236 caractères · 9 écrans
分譲地の九分通りに、そうして家が出来た。
もとその一画は某という株屋がもっていた林や原っぱであった。
子供の自分、××さんの原っぱの奥で、運動会があるというので見に行った覚えがある。日向の芝生に赤い小旗がヒラヒラしていた。あそこへ××さんの唖の息子も来ている。そう云って集っていた近所の人々は目ひき袖ひきした。
そこの家には三代唖のひとがいたとか、三人の男の子が唖だとか、それに何か金銭につながった因縁話が絡んで、子供の心を気味わるく思わせる真偽明らかでない話が、その時分きかされていたのであった。
今のこっているのは、原っぱの奥の崖下にあった池のぐるりだけで、そこは分譲地にはならないから市の小公園になった。崖下は住みての種類がまるでちがっていて、崖下の家々の男の子らはよろこんで、夏はタモをもって来てその池のぐるりを駈けまわった。合歓木がその崖に枝垂れて花咲いたりする眺めもある。
外国の住宅区域というところを歩くと、たとえ塀はどんなに高くていかめしくても、そこに何か風流な工夫がほどこされてあって、思いがけぬ透格子や鉄の唐草の間から、庭のたたずまいが見えたりして、一つの街の風景をもなしている。