Classiques japonais avec furigana
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
Lisez 犬田卯短編集二 (いちろうじん) de 犬田 卯 (いぬたしげる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 383 caractères · 103 écrans
と家の中を覗き込んだが、そのまま立ち去ってしまった。
老人が死んでいると聞いたのはそれから三日とは経たなかった。夜半まで、近所の人々は、老人の軍歌を歌っている声、行進するように踊っている足拍子を聞いたという。四郎右衛門とは昔から縁つづきの四郎兵衛という家の若者が、朝十時頃になっても老人の起き出す気配がないので行って見ると、寝床の中から裸の半身を乗り出して、まだ歌い踊っているような恰好の老人を見出した。
検死の結果、心臓麻痺と診断された。娘から来た十何円の金は、そっくりそのまま枕頭の財布の中に入っていた。
「紙幣を握って死ぬなんて、極楽往生じゃねえか、なア」と村人はこの老爺の死をうらやんだ。