Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

「加納に返事を出さなかったのは、城介の軍隊での苦労を、あまり知りたくないという気持も確かに動いていたようだ」

栄介は言った。

「ところがそれから、六、七年経って、おれは突然それを知りたくなった。そこで加納に手紙を出して、会って話を聞きたいと申し入れた。すると付箋づきで戻って来たんだ」

「どうして手紙を出す気になったんだね?」

「はっきり判らない。歳月が経って、昔ほどつらくなくなったからだろう」

「齢をとって、そろそろ決着つけたくなったんじゃないか」

私は冗談めかして言った。

「加納の話を聞いても、決着どころか、ますますもつれるだけだ、と僕は思うよ」

「そうかも知れんな」

ちょっと話が途絶えた。栄介は気だるそうに、眼を閉じた。私は古封筒を取り、中をのぞいた。何も入っていなかった。

「これには写真だけ入っていたのかね」

「いや。手紙も入っていたよ」

「何て書いてあった」

「死んだ時の状況を、かんたんに書いてあった」

「ほう。城介君はどんな病気で死んだんだ?」

「自殺さ」

「自殺?」

私にそれは初耳だったので、思わず声が大きくなった。

「うん」

眼を開いて、少し経って栄介はうなずいた。