Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans
東京に来て、いろんな話をして呉れ、とはちょっと言いにくかった。舟宿の主人は忙しいことにきまっているからだ。
「矢木栄介も釣りが好きだから、一度お宅の舟を借りて、釣りでもしながら、ゆっくり話が聞ければ――」
「いいですよ。前の日に電話して呉れりゃ、用意しときますよ」
加納はあっさりと承知した。
「たしかその栄介さんは、矢木君とふた児だったね」
「そうですよ」
舟宿の前の川は汚れて、油がぎらぎら浮いていた。舟がいくつもつながれている。川向うの家並の彼方に、赤い夕陽がかかっていた。
「この二、三日、またスモッグが多いね」
加納は手をかざしながら言った。
「沖に出て、東京のスモッグを通して見た太陽は、蒙古の太陽にそっくりですよ。もっとも蒙古のは煙じゃなく、砂ぼこりなんだけれどね」
「城介君はそこで自殺したんだそうですね」
加納は直接それに返事はしなかった。しばらくして夕陽から眼を離した。
「蒙古から生きて帰っても、すぐ再召集が来た筈ですよ。あたしゃニューギニヤに持って行かれた」
「ニューギニヤ? ひどい戦だったでしょうな」
「ひどかったねえ。二十四、五万行って、帰って来たのは七千二百人。