Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

「憂欝だっただろうねえ」

「いや。城介君自身はそう憂欝そうじゃなかった。足が遅いのは生れつきだから仕方がねえや、と笑ってたよ。内心はどうか知らないが、朗らかな男で、同年兵からは人気がありました。何かことがあると、矢木、矢木とたよりにされてさ。人徳だね」

「性質温良か」

「そうも言えるけれど、やる時は思い切ったことをやったよ。他人には真似の出来ないような不敵なことをね。たとえば土塀を乗り越えてパイチュウを買いに行くとか、あっしらはそれを密輸と称してたがね、無検閲の手紙を民間人に頼んで投函してもらうとかさ。ばれるとたいへんなことだ」

「ああ。そう言えば、僕も時々、検閲の印のないのをもらったよ。うちに三、四通しまってあるけれど――」

栄介は視線を宙に浮かせた。

「死体の爪が一寸五分ぐらいは伸びる、という奇抜なやつもあった」

「ああ。それは自分も覚えています」

加納は膝をぽんとたたいた。

「あれは初年兵教育の最後の演習の時だった。死体じゃなく、腕ですよ。しかも女の――」

城介たちは斥候として、月明の河床道を歩いていた。砂漠は歩きづらいので、行軍にしても斥候にしても、出来るだけ河床道を利用する。