Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans
「やはりこれも戦争のおかげですよ」
加納は笑った。
「そのあとニューギニヤでしょう。二百人の同年衛生兵の中、今生きているのは何人かな。十人かそこらです。初めの中こそ、何でお前らはおれに断りもなく死んじまったんだ、理不尽じゃねえか、と思ってたんだが、今はもうあきらめたね。あきらめると言うより、運よく生き残ったんだから、彼等になりかわって、生きたいだけ生きてやろう。長生きしてやろうという気分だね」
断りもなく死んだ、という言葉には実感があった。それはきりきりと栄介の胸にしみ入った。
岸についた。栄介は舟を出て、石段を上った。厠は囲いだけで、小便は直接川に落ちる仕掛けになっている。排出し終ると、どっと疲労が肩にかぶさって来た。
(今日一日で、城介の軍隊生活のほとんどを聞いたんだからな)
厠を出て、ゴカイくさい手を石鹸でごしごし洗いながら、栄介は考えた。
(疲れるのも当然だ)
道具や釣竿をかかえて、加納は石段を登って来た。店の方に大声をかけた。
「おおい。奥の間でお客さんたちと一杯やるから、用意しな」
「そこらでちょっと横にさせて呉れないか」
栄介は自分の肩をたたきながら頼んだ。