Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

しかし二人の老人は、幸太郎のあたりかまわぬ大声に、いくらか辟易し、恥じているように見えた。つまり幸太郎の田夫野人ぶりをあたりにはばかって、あきらかに当惑していた。

「よかったのう。お前たち、よく生きとったのう」

幸太郎は手の甲で洟を拭いながら、大声を出した。歩廊にはかなり強い風が吹いて、ところどころで塵埃の小さなつむじ風をつくった。

「遠藤はどうしたんじゃ。折角電報を打ったのに、迎えに来んじゃないか」

「あいつはよいよいになってな」

二人の中の一人が、義歯から洩れる声でぼそぼそと答えた。

「それで寝たっきりだよ。頭の方もすっかりぼけてな」

「ぼけた? そらいかんな。お前たち、見舞いに行ったのか」

歩廊もしだいに人影がまばらになって来た。まばらになると、駅には何か哀しげな翳がただよって来る。拡声器の声が遠く近くひびいた。

「うん。おれたちもあまり自由がきかないんでなあ」

幸太郎の視線がその時、柱のかげの彼をとらえた。人影がどんどん動いて減って行くのに、柱のかげにぼんやりと佇んでいる男の姿に、幸太郎はふと不審の念を抱いたらしい。その幸太郎の視線と栄介の視線とが、ぴったり合った。