Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans
それにもし幸太郎に男児が生れたりすると、大学を出ただけただ儲けになる。
(しかしそんな打算が、おやじやおふくろにあっただろうか?)
栄介は考える。その栄介の背中の石膏帯はかすかなぬくもりを残しながら、しだいに固まって来る気配があった。身じろぎすると、ごつごつとした圧迫感があった。
「固まって来たようですな」
彼は誰にともなく呟いた。
「餅よりも固まり方が早いようだ」
「ええ。もう直ぐ――」
「何だか河童の甲羅みたいな気がしますね」
栄介は冗談を言った。
「これに色を染めて、背中にかついで歩いたら、そっくり河童に見えませんかね」
「ベッドをかついで歩くという話は、あまり聞きませんな」
医師は手を動かすのに忙しいので、冗談に応ずる余裕はないらしかった。背をそらし放しなので、栄介もやや疲労を感じ始めていた。
栄介城介に関する約束をはっきり知らされたのは、しかしそれからずっと後のことである。その約束を教えることは、無用の競争心を植えつけることであり、つまり幼な心を傷つけるものだ、と両親は考えたのであろう。それにも拘らず、栄介も城介も何となく、何かがあることを感じ取っていた。