Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

「妙なものを持って来たね」

栄介は首を動かして薄笑いをした。

「造花みたいだね。ほんものかい?」

「もちろんほんものだよ。見れば判るだろ」

私は椅子に腰をおろしながら答えた。

「葬式じゃあるまいし。食べるものでも持って来ようと思ったが、えらぶのが面倒くさいしね」

栄介が造花と言ったのは、冗談だったが、すこしは意味がある。城介に関してのことだ。私はしきりに部屋中を見廻した。

「まだあれはつくらないのか?」

「あれってギプスベッドか」

栄介は笑いを収めた。

「それは昨日つくったよ」

「昨日? 今日つくるという話じゃなかったのか?」

「今日だったかな。しかし医者は昨日来たよ。そうだ。きっと医者が日取りを間違えたんだ」

あきらかに栄介はうそをついていた。私には判っている。彼はやはり背中のコブを見せ惜しんでいるのだ。

「またすっぽかしたな」

私は笑った。

「君はあの頃もよく城介君をすっぽかしたからねえ。城介君はすっぽかされると、いつも僕の下宿に来て、兄貴のやつはだらしがないとこぼしてたよ。だから僕が身がわりになって、いっしょに浅草なんかに遊びに行った」

「あの頃の浅草は面白かったねえ。