Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

彼にとってどうしようもなかったんだろう。しかし彼は、その恰好の割には、足は早くなかったようだね。重心が前へ前へと動くのに、足がそれについて行けない」

「早くなかった。でも、おれよりは早かった」

栄介は遠くを見る眼付きをした。

「あいつは逃げ出すことで、いっぺん失敗したことがあるんだよ。ずっと前、中学生の頃だったけれどさ。うどん屋で食い逃げをしたんだ」

「つかまったのか?」

「いや。つかまりはしなかった。しかしそれがあいつの運命を狂わせた」

栄介は小さな溜息をついた。

「おれんとこの地方じゃ、めん類を食わせる店を、うどん屋と呼ぶ。そば屋とは言わないな。うどんが主で、そばはつけたりで、そばなんか食う人はあまりいなかった。暖かい地方だから、そばの出来も悪かったんじゃないか。味もまずかった」

「そうだね。あれは寒い地方の食い物のようだね」

「おれの中学校では、生徒がうどん屋に出入りしちゃいけないことになっていた。父兄同伴ならいいが、単独でだとか、仲間といっしょに入ると、ひどくうるさかった。しかしどうしてあの頃の中学教師たちは、うどん屋にこだわったのかな。別に女が給仕するわけじゃなし、うどんを食って帰るだけの話だからね。