Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

「まさか」

彼はわらった。

「君に刈らせるぐらいなら、女房に刈らせる。女房は本職の美容師だよ」

彼はのろのろと寝椅子から立ち上り、書斎に入って行った。もう杖は使っていなかったが、背骨をいたわる気分からだろう、動作は緩慢であった。わざとそうしているのかとも私は思う。もっとも彼は昔からのそのそして、不器用なところがあった。バスの階段をずり落ちたのも、そのためだ。

「用事というのは、これなんだがね」

戻って来て元の形に寝そべりながら、彼は一枚の封筒を差出した。封筒は古ぼけて、ところどころにシミさえついていた。

「この差出人を探し出してもらいたいんだ」

「そんな仕事を僕に――」

私はあきれて言った。

「それで僕を呼んだのか。僕は私立探偵じゃないんだよ」

「判っている」

栄介は言った。

「探偵みたいなやり方で探して呉れと、言ってんじゃない。よく近頃の新聞に、何々をゆずって下さいとか、戦時中どこそこにお住いの何某さんを探しています、という欄があるだろう。あれに出してもらいたいんだ。おれが行けりゃ、新聞社に行くんだが――」

「学生を使ったらどうだね。この間の国立病院行きのように――」