Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きつねび

狐火

豊島 与志雄

Lisez 狐火 (きつねび) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 594 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

そしてそのことが、時や場所を択ばず、ひょいひょいと彼の頭にからみついてきた。

平吉か何かの姿が夜の暗がりから出てくることは、彼には恐ろしくも何ともなかったが、それが音も声もなくすーっと荷馬車に轢かれる、そういう感じが、変に彼をぞーっとさした。それに対して彼はどうすることも出来なかった。

そして彼は益々無口に憂鬱になると共に、一方では益々人を見下すようになった。しようと思えば人間の一人や二人訳もなくひねりつぶせる、そういう感じが自然と表面にも出て、傲然と周囲を見廻した。そして実際、彼の膨大な体駆と憂鬱などこか獰猛な顔付とには、何となく人を押し伏せるだけのものがあった。彼の町でもまた向うの町でも、正面から彼に対抗しようとする者はなかった。彼は人々から恐れられながら、一人黙々として歩いていた。ただ自分の馬に対してだけはやさしかった。秣草や糠水などにもよく気を配った。

或る時、向うの町で、自転車に乗った男が子供を突き倒したことがあった。彼はいきなりその男を引捕えて、横っ面を張り飛してやった。貴様なんか殴り殺すなあ雑作もねえが……と云いながら眉をしかめて去っていった。